映画『ハーフ・ジャパニーズ -The Band That Woud Be King-』(監督:ジェフ・フォイヤージーク)観賞。★★★。
『悪魔とダニエル・ジョンストン』が日本でも話題になったジェフ・フォイヤージークの旧作ドキュメンタリーを今更ながらに観賞。個人的な話をすると、おいらは中学2年生の時にハーフ・ジャパニーズの『Greatest Hits Vol.2』を買って愛聴したりしていたので(プライマル・スクリーム「Movin' On Up」のカヴァー最高!)、この映画にもそこそこ期待していたんだが、1993年という発表年の時代性がモロに出た内容なのでかなりキツかった。
何しろインタビューを受ける「先鋭的」な人々が、揃いも揃って「メジャー・レーベルは悪で、インディー・レーベルは善」という素朴な二元論を信じていて、頑なにビートルズ(中でも特にポール・マッカートニー)を否定するのだ。今からしてみるとチャンチャラおかしい話だよな。そういう人達はアップル・レコード傘下の実験音楽専門レーベルである「ザップル」の存続に最後まで拘ったビートルズのメンバーがポール・マッカートニーであるということをどう考えているんだろうか(たぶん何も考えていない)。
以前にも少し書いたけれど、こうした風潮が淘汰されていくのは1990年代の半ば〜後半以降なわけで、それを考えると、ビートルズの大ファンでもあるダニエル・ジョンストンを取り上げた『悪魔とダニエル・ジョンストン』が00年代に作られた(00年代を待たねばならなかった)のはやはり必然なのだと思う。ちなみにメアリー・ルー・ロードが「His Indie World」の中で「私はこんなインディー・ワールドには馴染めそうもない」と違和感を表明するのはこの2年後の1995年の話。