★★
ウィーザーの5thアルバム。前作から3年のブランクがあるからといって特に新機軸があるわけではなく、『Green Album』の様にあくまでもファンが求めているであろう物を狙って製作されている。
ただし、リック・ルービンをメイン・プロデューサーに迎えた事によって、ウィーザー史上最高にプロフェッショナルな(=カッチリした)サウンド・プロダクションになっているがために、逆にリヴァースの素人っぽさばかりが浮いてしまっているので聴いていて辛い。
また、全10曲28分という短さだった「Green Album」に対して、全12曲45分とダラダラ長いのもダメ。たしかこの3年の間にリヴァースは音楽理論を学んだりしていたはずなんだが、「ポップ・ソングで大切なのは簡潔性である」という最も重要な点を理解してないじゃんかよ。
本作を聴いて、彼等の魅力の肝は結局はアマチュアリズムであった事を痛感した。そういう意味で彼等の立ち位置はアズテック・カメラに近いと思う。ウィーザーがパワー・ポップ番長で、アズテック・カメラがネオアコ番長。どちらも日本だとリーダー(リヴァース・クオモとロディ・フレイム)のキャラが重要視されていて、初期の作品のせいでやたらと過大評価されている所とか、「実はアマチュアリズムが肝」という点以外にもすんげえイメージが被るもんで。