Juliana Hatfield/Juliana Hatfield Sings Olivia Newton-John
★★★★★
ジュリアナ・ハットフィールド自身が最新インタビューで分析しているように、ブレイク・ベイビーズから現在に至るまでの彼女のミュージシャンとしてのキャリアは、オリビア・ニュートン=ジョン(のポップネス)とX(のパンクなテイスト)を融合させようとする歴史であったとのこと。つまり、彼女のザクザクとしたエレクトリック・ギターの音色はビリー・ズームの影響下から生まれたものだったわけだ。これには目から鱗。
オリビア・ニュートン=ジョンのカヴァー集である本作は、そんな彼女のルーツに立ち返った『ジュリアナの魂』というべき傑作だ。2012年に発表したカヴァー集『Juliana Hatfield』がアコースティックなサウンドだったのとは対照的に、(『Pussycat』からの流れを引き継いだ)X譲りのラフ&タフなロック・サウンドで仕上げられており、まさに彼女が言う通りの「オリビア・ニュートン=ジョンとXの融合」が本作で実現されているのだった。これで「Xanadu」とか歌われるんだから堪らんですよ。これこそがジュリアナ・ハットフィールドの真骨頂だ!
サッカー・マミーのようなジュリアナ・ハットフィールドの系譜に連なるシンガー・ソングライターが注目を集めているんだから、ジュリアナさんの方も改めて注目されたっていいはずっすよね。