The Wellingtons/Heading North For The Winter
★★★★★
彼等の過去の作品にはそれほど感心しなかったんだが、この3rdアルバムは文句無しに素晴らしい。っていうか最高。なにしろこれはパワー・ポップ・アルバムとして一級品であるのに加え、ポップ・ミュージック史上もっともマフス愛に溢れた作品なのだから。
いきなりオープニング・ナンバーからしてキム・シャタックに捧げられた「Song For Kim」だし、固定カメラで撮影されたPVは「Sad Tomorrow」のそれへのオマージュ。おいらはもうこれだけでウルウルきてしまうんだけど、恐るべしはウェリントンズで、さらなる駄目押しが待ち構えているのだった。なんと4曲目の「Freak Out」ではキム本人がゲスト・ヴォーカリストとして参加! 楽曲タイトルは『Really Really Happy』のオープニング・ナンバーを当然意識しているだろうし、こんなにマフス愛に溢れた作品が傑作でないわけがない! それにしてもキムはユー・アム・アイの『#4 Record』にも参加していたし、オーストラリアのバンドの間でマフス人気がやたらと高いのは何故なんだろう?
「Freak Out」でキムが決めている熱いシャウトが象徴的なように、決して甘さ一辺倒に陥らないサウンド・プロダクションが楽曲のポップ度を格段にアップさせていて、パワー・ポップ・バンドとしてはスナッグやトラボルタズに匹敵する境地に到達したといえるのではないだろうか。全10曲29分。必聴。9月に行われる来日公演も見逃し厳禁だ(と、自分に向けて書いておく)。
The Wellingtons - Song For Kim
The Muffs - Sad Tomorrow
The Wellingtons - Freak OUt