トニ・コレット主演の英国田舎映画『Dream Horse』はウェールズが舞台だけあって、ご当地バンドのマニック・ストリート・プリーチャーズの楽曲が大フィーチャー。現地の人々にとって「A Design For Life」はほとんど国歌のような扱いであるということが分かるというだけでも貴重な資料といえるのではないだろうか。他にもウェールズ出身バンドであるスーパー・ファーリー・アニマルズの楽曲などもフィーチャーされておりました。
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『Summer Days, Summer Nights』で嬉しかったのは、オーストラリア産青春アクション映画の傑作『トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら(Tomorrow, When The War Began)』で主演を務めていたケイトリン・ステイシーが主要キャストの一人だったこと。エドワード・バーンズが現在手掛けているTVシリーズ『Bridge And Tunnel』でも彼女は主要キャストの一人なので、しばらくエドワード・バーンズ作品への出演が続きそうな感じ。
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映画『Summer Days, Summer Nights』(監督:エドワード・バーンズ)観賞。★★★★★。
アメリカのブライト・サイドを描いた青春映画の快作! エドワード・バーンズのデビュー作である『マクマレン兄弟』のようにアイルランド系の一家を中心に据えながら、『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』のような群像劇が1982年のロングアイランドの夏を舞台に展開される。役者としてのエドワード・バーンズは一歩引いており、『Nice Guy Johnny』のように若手役者達にバトンを託そうとした形だ。彼が手掛けているTVシリーズ『Bridge And Tunnel』とキャストもストーリーも似通っているので、姉妹編のような趣きもあると思われる。
それほど予算に余裕があるとは思えないのに、今作では久しぶりエドワード・バーンズの選曲に気合いが入っていて、単なる80年代ヒット・メドレーには陥らない気の利いたポップ・ソング使いの妙に悶絶しまくり。ゴーゴーズの「We Got The Beat」などをフィーチャーしつつ、70年代後半の曲が多いというところに当時を実体験していたエドワード・バーンズの「リアル」が反映されている気がする。個人的にはプリテンダーズの「Brass In Pocket」を大フィーチャーして恋の芽生えを描くシーンにヤラれた。また、ある登場人物が歌う自作曲がモロにブルース・スプリングスティーンなハートランド・ロックで微笑ましくなってしまった。ブルース・スプリングスティーンからの影響をかつて『ノー・ルッキング・バック』という1本の映画にまとめたエドワード・バーンズ、再びの面目躍如である。
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サム・フリークスに毎回欠かさず来場してくださる木内様より、Amazonのほしい物リストの中から甘酒を寄贈していただきました! 平日の朝食はいつも甘酒なので、これで10月の朝食代を浮かすことができます! とりあえず2022年いっぱいはサム・フリークスを続けるつもりで頑張っているので今後ともよろしくお願い致します!
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「P.O.N.D.」での上映作品について、主催者側からのサジェスチョンは『まどろみのニコール』とか『エクスプローディング・ガール』とか、いかにもシネクイントっぽいサブカル寄りなチョイスだったんだけど、「いや、そういうんじゃないから」と主張して『マイ・ファースト・ミスター』にしてもらいました。とりあえず自分ができる範囲のことはやったつもり。
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渋谷PARCOで開催されるカルチャーの祭典「P.O.N.D.」にお呼ばれしてサム・フリークスのアンコール企画が行われることになりました。サム・フリークスの前身イベント「アメリカ映画が描く「真摯な痛み」Vol. 2」で上映した『マイ・ファースト・ミスター』が10月15日(金)にWHITE CINE QUINTOで上映されます。「サム・フリークス Vol.14」で上映した『シルビーの帰郷』で主演を務めたクリスティーン・ラーチの監督作! 名作です! チケットの購入はこちらからどうぞ。
チケットの値段が高いのはパルコが絡んでいるからです! 映画1本あたりに換算するとサム・フリークスの3倍近い鑑賞料金を払えるブルジョワの方は来てください&そういう人はもっと社会福祉に貢献してください! 私のプレトークイベントありで開始時刻は18時30分からとなっていますが、映画の上映は18時55分からとなっております。
ちなみに主催者からは最初アフタートークをオファーされたのですが、「アフタートークは映画の大切な余韻をブチ壊すだけなので絶対にやりたくない」と主張して上映前のプレトークとなりました。