2024年4月6日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.27」を開催します。今回はケン・ローチの最高傑作の一つである大作『石炭の値打ち』の前後編を一挙に日本初上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です


2024年6月1日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス S」を開催します。今回はお試しリクエスト企画で、以前にサム・フリークスで日本初上映を果たしたアンナ・ボーデン&ライアン・フレックの『シュガー』とマイク・バービグリアの『ドント・シンク・トワイス』を再映いたします。 前売チケットはPeatixで販売中です


2024年7月20日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.28」を開催します。今回は米国文芸映画2本立てということで、ジャック・フィニイの同名短編小説を映画化した『愛の手紙』と、ジョン・バダムの劇場用映画デビュー作である傑作『ザ・ビンゴ・ロング・トラヴェリング・オールスターズ&モーター・キングス』を上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です

過去に開催したサム・フリークスの一覧はこちらです


マフスのキム・シャタックの追悼記事をローリングストーン ジャパンに執筆しました

ローリングストーン ジャパンでリンダ・リンダズにインタビューしました。アルバム『Growing Up』発表時SUMMER SONIC 2022での来日時2024年の来日時です。

2023年5月にシグリッドが初来日公演を果たした際に、ローリングストーン ジャパンでインタビューしました


メアリー・ルー・ロードの「Lights Are Changing」のオリジナルなどで知られるべヴィス・フロンドのポップな楽曲のみを集めたベスト・アルバム的プレイリスト『Pop Essentials of The Bevis Frond』を作成しました。

サム・フリークスの場内BGMのプレイリストを作成しました。毎回上映作品と絡めた選曲をしています(最新のものに随時更新していきます)。


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない


即座に消えた方がいい内容をあえてフリートではなくツイートすることで有名常川拓也さんに、不人気イベントの「サム・フリークス Vol.12」で上映する『ジョージア』と『ミス・ファイヤークラッカー』についてのコラムを書いていただきました! 「サム・フリークス Vol.12」は 5月8日(土)に開催です!

ミスコンは「セクシズムの温床」「白人至上主義者のためのもの」と揶揄される中で、近年、『ダンプリン』や『MISS ミス・フランスになりたい!』あるいは『Miss Juneteenth』『Misbehaviour』など、家父長制の規範に異議申し立てる映画が増えつつある。
ミスコン命な女性を描いた『ビューティフル』を監督したサリー・フィールドは、それが女性が奨学金を得るための手段であり、地方出身の貧しい家庭の子にとっては教育を受ける方法であると認める。ホリー・ハンター演じる赤髪のカーネルが義姉に憧れて地元のミスコンで優勝することを望む『ミス・ファイヤークラッカー』の裏側にもまた、貧困や恵まれなかった過去からの逃避の目的があるだろう。ミシシッピ州出身の劇作家ベス・ヘンリーは、『ロンリー・ハート』『ミス・ファイヤークラッカー』と米国南部を舞台に、家父長制の中で苦しみ、憂鬱な状況に生きる女性たちの物語を綴る。自尊心が低いカーネルは、ミスコン優勝者である義姉を理想と見なすが、その彼女は不幸な結婚生活から抜け出すことができない。「美しさ」で手に入れた幸福は彼女の人生を保証するものではないようである。
劇中、カーネルは米国国歌に合わせて星条旗を模した衣装でタップダンスを披露する。ヘンリーは、美醜の優劣やコンテストの勝敗に関心は示さない。7月4日=独立記念日をミスコン開催日に設定し、幼い頃から他者を参考に自己形成していた女性が「独立」する瞬間を描くのだ。

本イベントの原点であり、4年ぶりの再上映となる『ジョージア』もまた、姉妹間の葛藤を描いた映画である。主演のジェニファー・ジェイソン・リーはしばしば痛みを伴う物語に身を投じる。彼女が共同脚本を手がけた『グリーンバーグ』に「傷ついた者は他者を傷つける」というセリフがあるが、それはJJLが生み出したように思えてならない。彼女は、自己破壊的な行動を取ってしまったり、セルフィッシュで思いがけず人を傷つけてしまう役柄ばかりを演じてきたのではなかったか。故に、製作に携わる『ユニークライフ』で彼女は、「最高の世話人は世話されなかった人だそうよ。私にはぴったりの言葉ね」と発するのであり、その言葉は彼女だからこそ説得力を持って響くのである。

(映画ライター・常川拓也

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マフスのライヴで踊り狂っていた少女達が「リンダ・リンダズ」となり、女性達の連帯を描いたエイミー・ポーラー監督作『モキシー ~私たちのムーブメント~』でマフスのカヴァー「Big Mouth」を熱演して大フィーチャーされているんだから、これは感動する他ないでしょう。ビキニ・キルの「Rebel Girl」やプリンセス・ノキアの「Kitana」、CSSの「Alala」も同じ文脈でフィーチャーされております。改めてマフスのエヴァーグリーンなポップさを実感できる一作。#kimshattuckforeverだよ!

ロザムンド・パイクが映画『I Care A Lot』(傑作)でゴールデン・グローブ賞を受賞しましたね。この作品はアメリカ映画ではあるけれど、ロザムンド・パイクも監督のJ・ブレイクソンも英国人だし、英国映画的な捻くれが全開で最高なんすよね。ロザムンド・パイクの役柄は完全なる悪人ではあるものの、ヒッチコック的とでもいうべき演出で観客は彼女への同一化あるいは感情移入を促される。J・ブレイクソンは『アリス・クリードの失踪』でも同じようなことをやっていたし、そういう演出がめっぽう上手い。

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ジョン・セイルズの制作プロダクションは「Anarchists Convention」という名前だが、これは彼が執筆した短編小説「At The Anarchists' Convention」(および彼の短編小説集『The Anarchists' Convention』)から採られている。この作品は「アナーキスト大会」という邦題で『世界は何回も消滅する―同時代のアメリカ小説傑作集』に収録されているので、「サム・フリークス Vol.11」のテイクフリー品として持って行きますね。レイモンド・カーヴァーの作品なんかも収録されているアンソロジーなので興味のある方は持って帰ってくださいー。

ちなみに件の「アナーキスト大会」はアナーキスト達の再会を描いた小咄で、ジョン・セイルズの映画監督としてのデビュー作である『セコーカス・セブン』も学生時代の親友達の再会を描いた物語なので、彼にとって「再会」というのが非常に重要なモチーフになっていることがよく分かる。そしてそして、「サム・フリークス Vol.11」で上映する『ゴー・フォー・シスターズ』も「再会」についての物語なんですよ!

ナードマグネットの須田さんによるポウジーズ「Solar Sister」のアコースティック・カヴァー。ちなみに「サム・フリークス Vol.12」で上映する『ジョージア』は舞台がシアトルでポウジーズはシアトルを拠点に活動しているバンドなので、同作において「ご当地アーティスト」としてポウジーズのケン・ストリングフェローがちょこっと出演しております。

あと、ポウジーズの「Golden Blunders」はリンゴ・スターによるカヴァーも最高。そもそも「Golden Blunders」というタイトル自体がビートルズの「Golden Slumbers」のモジリなので、リンゴがカヴァーしたことによって歴史の輪が繋がった感がある。